企画メシ第3回目の課題を提出したので、やっとじっくり振り返る時間が取れました。
いやはや締め切りというものは人類最大の発明だ。
企画メシについてそもそも(第一回目)の話はこちら▼
第2回目は菅俊一さんの講義!
菅さんとは、こんな方。講義を聞いての第一印象は論理的思考でとことん追求していく方でした。
菅俊一
研究者/映像作家。多摩美術大学美術学部統合デザイン学科専任講師。 1980年東京都生まれ。人間の知覚能力に基づく新しい表現を研究・開発し、さまざまなメディアを用いて社会に提案することを活動の主軸としている。
単位展、アスリート展見てるし、ヘンテコノミクス持ってるし、うんうん(知ってる)!と言う感じ!
講義内容は、また企画メシのCAREER HACKさんが記事にしてくれると思うので、感想と、講義を受けたあとの関連知識のみ書いていきたいのですが…
今までアイディアは、創作は、100本ノック!そして100本ノックをするには、100個のアイディアを出すためのいい問いが重要!一発やそこらで、いい案が降ってくるなんてことはない!そしてそれを最後にどれを選ぶかのセンスと判断!と思ってきたので(森本さんの学生時代のノートや、友達の企画方法からの影響)、菅さんの仰っていることに最初から大きく驚くことはなかったです。
ただ、私が100本ノック!と思っていたものを、菅さんは1万本やってる。そのための踏み台となる抑制(私にとっての問い)を綿密に、そして数段高く積み上げてる。数の洗練がすごい。
そして、「ディレクションは判断の集積」とも。
思考の過程を明確にして、最後のジャンプ(直感も入った大きな判断)をする前のの踏み台を入念に用意しておくと、失敗した時にどこに立ち帰ればいいかの役に立つ。
…本当にそう思います。
(私、ディレクションをして生きていきたいと思うので、この辺は本当に実感)
「才能ではなくて、根気と時間の問題になるし、する」ということを自分の実感と言葉で仰っていて、本当に途方も無いバッググラウンドと気づきと知識と努力に支えられた方なのだなと思いました。
「真面目にコツコツに勝るものは、たぶん無いんですよね」
「トップランナーと会う機会があるけど、すべからく努力をしている。手を動かしている。例外はない。」
という言葉も仰っていました。
今回は、3人の友達を巻き込んで考えていたのですが、なかなか街のバグみたいな写真や、変な気づき(銭湯の靴箱から却ってきた100円を、隣の牛乳買うのに使いたいから隣接して置きたい、とか笑)が得られてそれはそれで楽しい課題に取り組む10日間!
観察の練習 読んだ!
— きらら /Kilarla Akiyama (@kilarla_yohaku) May 12, 2018
装丁がかなりこだわられている気がする
菅さんの日常の観察について書かれていて、特に別に答えもない。
でも読んでて、今まで忘れていたような記憶が蘇ってきたり、紐付いたり、こういう読書体験もあり!(私もこういう些細な発見から世界が気持ち悪くなっちゃうタチなので) pic.twitter.com/TDQu9b3uSv
菅さんの本ですが、何も押し付けがましくなく、答えも方法論も書いてないけど、なんだか明日から些細な発見を積極的にしちゃいそうになる本です。
仕掛学 読んだ!
— きらら /Kilarla Akiyama (@kilarla_yohaku) May 15, 2018
観察の練習の具体化のヒント探しに手に取って、こたえを探す読み方をした。
ほぼこのスライドの内容なんだけども、観察の練習は2枚目の写真の中のフィードフォワードについてのみ深ぼっている感じ。
ちょっと行動を変えたくなるデザインって重要だよなぁhttps://t.co/hvkEe4GvDe pic.twitter.com/1Bo8J52hNf
あと、こういう気づき、課題に関して、
大学でアフォーダンスとかデザイン心理学とかの授業を取った記憶があったので、何か答えになりそうな本ないかなーと思っていたら見つけてしまいました。
「仕掛け学」
ほぼ書いてあることは、こちらのスライドにまとまっていますので是非
https://www.slideshare.net/mobile/akihiromoriyamaureka/shikakelogy
仕掛け学の定義は、菅さんの観察の練習とは異なるので、そのまま被っているものはないのですが、取り上げられてる例がなかなか面白かったです。
ちなみに、私は企画メシで菅さんはアフォーダンスのことを言いたいのかな?アナロジーのことを言いたいのかな?と確認したい気持ちで行ったのですが、菅さんは心理学や脳科学やバックグラウンドにある知識が膨大すぎてやばかったです笑(そのどれでもなくどれもでした)
改めて自分ごとにすると、菅さんの原体験ともなっている
「気づき→この辺の知識使えそう→勉強する→仮説→実証→できた!」
みたいな行為って、私もすごい好きで、目的のある知識の吸収は結構できる方だと思うのだけど、そう考えてみると、私はメタなところからとらえた身体を中から具体化して表現したい
のかも…なぁとか…
ダンスに関連する近い分野は
広告・知覚・心理学・歴史・民俗学・行動経済学・身体論・哲学 とかいっぱいある(知識が浅いので粒度が違うことは許して…笑)分野を適宜吸収して、そこからとらえた身体表現を模索していけたらなぁとか。
あとは、ちょっと講義や課題作成の過程で気になった用語なんかを羅列していきます
・代表性バイアス=先入観? 思わずそう思ってしまうことを、「これっていわゆる代表性バイアスなんですけど」と説明されてました
https://webtan.impress.co.jp/e/2009/08/20/6326
・書字スリップ 「ああああ」と書いていると「ぬ」「す」とかが混ざる性質。マイクロスリップの中の一つ
http://neuroscience.hatenablog.jp/entry/2015/08/21/164658
・マイクロスリップ=身体所作をある目的をもっておこなったにもかかわらず、他の身体所作にスリップしてしまう誤操作のこと
http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/000602CP06.html
・ゲシュタルト心理学 形を捉える時に任意のまとまりとして無意識に認識してしまうこと
https://kotobank.jp/word/ゲシュタルト心理学-59388
・アフォーダンス=あるモノに内在している人間が選択しうる行為の可能性
例がいっぱいある記事で面白いです
https://mottochanto.net/affordance-designe-example/
・シグニファイア=モノの形や特徴は、人に使い方を教えるためのシグナルである
デザインについて解説してあります
https://swingroot.com/affordance
・ナッジ=ヒジで軽く突っつく ように、強制やインセンティブに頼らず、人々を賢い選択へと導くちょっとした工夫 この本読みたかった…
https://www.amazon.co.jp/dp/4822247473/ref=cm_sw_r_cp_ep_dp_YoWvAbHAKX293
・路上観察学入門(本)読みたい
https://www.amazon.co.jp/dp/4480028188/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_u.LdBbQ9PESEC
・超日常観察記(本)読みたい
日常をつぶさに観察した記録、観察の手法として考現学採集というものがあるらしい
https://www.axismag.jp/posts/2010/07/14782.html
・仕掛け学の大阪大学大学院経済学研究科 松村真宏教授の記事
http://www.keiomcc.net/sekigaku-blog/2018/01/post_746.html
仕掛け学に出てくることは大体この記事で網羅されてます
http://www.mana-biz.net/2016/12/post-175.php
・目の錯覚 を利用した広告例
錯覚、錯視も人間を無意識的に導くものかなと思ったんだけど…
https://adgang.jp/2014/08/71411.html
・日常の散歩の観察が面白いちょっと変わったサイト おすすめ!
観察が1週間しかできないということもあり、散歩のページを大量に見て発見を集めました…
・街のバグを見つけて歩く この「死なない」サイト大好きなんです
トマソン的痕跡とかちょっと今回の課題から外れてますが、バグを見つける参考にしました
http://www.shinanai.com/aruku.html
・知覚について 特に脳神経科学からの視点で述べられてます
行為のための視覚と知覚としての視覚2種類あるんじゃないかとか超ー面白い
https://www.slideshare.net/mitmul/ss-15354013
<身体表現に寄せたこれらの知識>
認知、知覚、心理学、あたりについてはパフォーミングアーツと結構深く関わっているところもあり(身体のことなので当然ですが)、面白い記事が複数あったのでご紹介しておきます。
・アフォーダンスと演技
https://theatre-shelf.org/diarypro/archives/406.html
・マイクロスリップと演劇
http://www.jcss.gr.jp/meetings/jcss2009/pdf/JCSS2009_P2-23.pdf
・認知心理学と演劇(平田オリザさん)
https://www.milive-plus.net/平田オリザさん演劇とコミュニケーション/平田オリザさん演劇とコミュニケーション3/
▼自戒を込めて第二回提出課題
https://drive.google.com/open?id=1yMWHHqFrM8mb_rNRMIWiss5ZkGy0MaUD
<課題文>
私たちの身の回りには、たくさんの「無意識にふるまってしまうこと」があります。そのような、人間の習性を上手く活かすことで、例えば「注意看板」などよりも強力に(かつ心地よく)、注意を促し行動を誘うことができます。
例:予め靴を置いておくことで、「ここで履物を抜いてください」ということが直感的に伝わり、自分も靴を脱いであがることができる(隣の注意看板は不要になる)
今回は、みなさんに、日常で無意識にそう判断してしまう行為を観察することで、無意識に(心地よく)人を誘った結果、何か問題を解決する方法を考えてもらいます。従来、注意看板があるところに対して、看板が不要になるような提案でもいいですし、中々言葉だけでは変えられない人間の行動を変えるという提案でも構いません。
<私の企画書までの思考>
・課題(本記事末尾を参照)の例にあがっているものは、土足禁止→靴を脱いでねと言い換えられる→それを手軽なコストで促進させる改善、という仕組みになっているので同じ仕組みのものはないか
└言い換えられる禁止看板を探したけれどあまりない
└100人いたら100人の行動を変えられるものや、コスト感が少ないものは結構少ない
・生活していてちょっと困っていること(課題)の中で、人間の行動で解決することはないか
└技術の進歩などですぐ解決しそうなことや、解決しなくてもいいこともあるので
・禁止看板や人の行動を観察して、よりよく誘導できるものはないか
└つい◯◯してしまう、みたいな感覚は日常に潜んでないか、友達は感じてないか
など、課題の解決という面からと、観察してたらより良く解決できそうという2面からも考えられていたし、数多くメモし、次に以下のように除外していった。
・あまりコストがかかるものは(例と異なるので)×
・人が不快になる(心地よく無意識に行動を促すものじゃない)ものは×
・すでにどこかで似たようなものがあれば×
・行為を行った後に達成感があっても1度目は誘引できないので×
・多くの人が気づかないので×
やり方はよかったように思うけれど、菅さんはより根源的な問いや、あらゆる方向からの問いを立てられていて、そもそもコストがかかってもインパクトのあるやり方など、これと決めたアイディアをもっと深掘れたなという印象。
また、考えるところに時間を多く使って、アウトプットが他の企画生よりも雑に見えてしまったのが改善の余地があるなと反省した次第です。
以上!超長くなってしまいました。
次回の企画メシが楽しみです。
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